山菜採りや登山などで遭難した際の救助や捜索費用の一部を、当事者や家族らに請求する制度を設ける道内自治体が、6年前に比べ8倍以上の26市町村 に増えている。不用意な入山が「思わぬ代償」を招くことを周知するのが狙い。道内で山岳事故が相次ぐ中、自治体側は遭難の抑止効果を期待している。

 「町内では山菜採りなどで一昨年は4人、昨年は3人の行方不明者の捜索が行われたが、今年は1件もない」。こう話すのは檜山管内上ノ国町の担当者。同町 は今年4月、遭難者に捜索費用の一部負担を求める要綱を定めた。要綱が遭難の歯止めになっていると、担当者は手応えを感じている。

 道などによると、同様の要綱を持つ道内自治体は、2004年には3町だったが、05年以降、毎年2~5自治体ずつ増加。今年も上ノ国町と後志管内の倶知 安町、ニセコ町、真狩村の4町村で制定され、計26市町村に。捜索に参加した民間人の食費を請求したり、さらに人件費を追加して負担を求めたりと、要綱の 内容は自治体によってさまざまだ。

 いずれも自治体側の要綱に法的拘束力はないが、当事者は支払いに応じ、拒否や係争になった例はないという。

 最近は、公的機関のヘリコプターによる捜索救助も増加。道防災ヘリの山岳遭難関連の緊急出動は、05年度の25件が09年度は38件に。今年は8月末までに19件に上る。道警ヘリの山岳遭難関連の出動も今年は8月末現在で計23件となっている。

 道によると、ヘリの出動1回当たりの平均経費は、人件費などを含め約220万円かかるが、これらは全額が公的負担で当事者には請求されていない。

登山、山菜採り…遭難の捜索費 道内26市町村請求制度導入 抑止効果を期待-北海道新聞[道内]